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2023秋季 午後の剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク:後編)

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (4)

  「グリーンウッド(GREEN WOOD )」 は「生木」を意味します。 「生木」とは、 森から伐採したばかりの 乾燥していない木のことです。その生木を伝統的な手工具を使い(大型機械や電動工具は使いません)割ったり、削ったりしながら、小物や家具をつくるものづくりを行いますが、動力を使わないの、資材の移動が可能になり、森の中でも実施することが出来ます。

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (1)

 森の中で木々に囲まれながらの環境は、モノづくりに集中するには最適です。

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (19)

 地域の気候風土が育んだ木々の材を使って、日用品を作ります。

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (15)

 次に「斧(おの」で、枝を削っていきます。 「斧(おの)」は重い道具のイメージですが、グリーンウッドワーク用の斧は片手で軽々持てる大きさです。特につくり方に決まりがあるわけではありません。オリジナルの小枝の形状を生かして、怪我をしないよう注意しながら自分の好みの形に削っていくだけです。

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (17)

 グリーンウッドワークにて使用する自然の素材は、どんな木の種類でも対応できます。但し茎や葉等を含め有毒のものもあります。毒と言われています。食べるわけではありませんが、口に入れるスプーン等については、安全な素材を選ぶ必要があります。
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2023秋季 午後の剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク:前編)

グリーンウッドワークの学びと今後の展開 (2)

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (5)

 グリーンウッドワークは身近な森で、剪定や間伐の際、発生したみずみずしい生木を、斧やナイフなどの手道具で削って小物や家具をつくる木工のことです。
 機械がない時代、人は柔らかくて削りやすい生木を使って日用品を作ってきました。
 樹木研究会こうべでは、「作ること」を通して、様々な樹木の材に触れることで、構造を理解する学習プログラムを作る予定です。

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (6)

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (11)

 今回、桜の新旧主幹切替剪定(強剪定)を行いました。その剪定枝を用いて、日用品づくりを行いました。

【参考】
2023秋季桜の主幹新旧切替剪定(午前・前編)
2023秋季桜の主幹新旧切替剪定(午前・後編)
2023秋季桜の主幹新旧切替剪定(午後・前編)
2023秋季桜の主幹新旧切替剪定(午後・後編)

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (14)

グリーンウッドワーク道具

 今回スプーンづくりを行います。直径3.5cm~10cmくらいで長さ20cm~30cmくらいのものがあれば、スプーンづくりに最適です。
 スプーン作りに必要なグリーンウッドワーク道具は、鋸(のこぎり)・斧・木工用ナイフ(ストレートナイフ&フックナイフ)等です。そのほかの道具として削り馬・ドローナイフ・マンリキ・手回しドリルがあります。
 人力の道具には、高速で回転する木工機械のような危険はないため、木工経験のない方でも安全に楽しむことができます。

2023秋季(午後)剪定材の活用方法(グリーンウッドワーク) (16)

 講師である吉岡樹木医がスプーンづくりを行います。

2023秋季樹木医活動紹介ガイドツアー➃

2023秋季森林植物園マップ (1)

2023秋季樹木医活動紹介イベント(ガイドツアー➃) (1)

 秋季樹木医活動紹介ガイドツアーの最後のツアーは14時からスタートしました。主に受付場所にある展示物の紹介を行い、樹木の生理現象について解説を行いました。

2023秋季樹木医活動紹介イベント(ガイドツアー➃) (5)

 展示とは、単なるものの陳列ではなく、「展じて示す」ことであり、意味と目的をもってものを選び,積極的に見せる意識をもって、学習する人と交流(コミュニケーション)することです。
 展示は、見る人の興味を持たせ、感性的な刺激(感動)を与え、観察と理論的な推論をうながし,そのモノ(実物)とそれが示すコト(事象)を理解させることができます。
 したがって、展示者がそのモノから受けた刺激(感動)が大きければ大きいほど、展示の質的内容は高くなります。

2023秋季樹木医活動紹介イベント(ガイドツアー➃) (9)

 上の写真は、剪定等で発生した生木を削る「削り馬」の体験です。木を削ることで、木の硬軟を触覚で感じ取ることが出来ます。
 「展示」の魅力は、「実物」に触れ、そこから感じ、学ぶことができる点です。インターネットの普及などにより、画面上で画像を閲覧することは容易になりましたが、標本や資料がもつリアリティは、実物ならではの「真実」があります。
 その学術的意味を伝えることは、森林植物園のような博物館相当施設にとって「実物」の価値を明らかにするために不可欠な作業といえます。

2023秋季樹木医活動紹介イベント(ガイドツアー➃) (13)

 上の写真は、中国・台湾・朝鮮半島・ベトナム原産の特定外来種である「クビアカツヤカミキリ」の紹介です。クビアカツヤカミキリは、サクラなどに寄生し、樹木を衰弱させ、枯死させる危険性のある外来のカミキリムシです。
 このカミキリムシの生態や被害あるいは当会が行っている防除対策を解説を行いました。

クビアカツヤカミキリ展示

 樹木研究会こうべの会員が今年6月24日大阪府・奈良県でクビアカツヤカミキリ捕殺を行いました。その捕殺した大量のクビアカツヤカミキリを標本にして、大阪での被害の状況や、生態について話をしています。  
 この捕殺は、大阪府・奈良県の樹木医と協力して、大阪府・奈良県の被害地で行っています。100匹以上のクビアカツヤカミキリ標本は見た目にインパクトがあり、一般参加者の興味を引き出します。

【2023年6月24日捕殺】
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺説明:前編)
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺説明:後編)
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:香芝市)
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:柏原市(前編))
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:柏原市(後編))
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:羽曳野市(前編))
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:羽曳野市(後編))
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:堺市)
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:大阪狭山市)
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:富田林市(前編))
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:富田林市(後編))
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(昆虫網の使用)
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺:河内長野市))
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺発表)
2023年度クビアカツヤカミキリ防除対策実習(捕殺数結果)

ガイドブックシステム流れ

 また樹木研究会こうべの活動では、年間数回樹木医ガイドを実施しています。ガイドでは、いろいろな方をご案内するので、まず自分で勉強します。相手に理解してもらうために伝えたい樹木のことを分析して、伝えたい内容に整理するので、知識が深まります。
 その勉強する内容について、樹木の生理構造や樹木医の技法を解説する際の「虎の巻」として活用目的として、作成します。

教えることは学ぶことである (2)

 自分で理解し、整理し相手に説明しなければいけないので、頭の中に定着しやすく、自分の理解度が測れます。逆に自分が教えられないポイントが自分が理解していないところなので、つまり自分が理解していないポイントを自覚することができ、その弱点克服が理解度の向上につながります。
 そうゆう意味でガイドは非常に有効な「アウトプット学習」方法です。

2023秋季樹木医活動紹介ガイドツアー③

2023秋季写真2023秋季樹木医活動紹介イベント(ガイドツアー③) (4)

  樹木研究会こうべ主催の散策ガイドは①10:00~ ➁11:00~ ③13:00~ ➃14:00~の計4回実施しました。上の写真はガイド樹木医による出発の挨拶です。約40分ほどかけて、樹木医が作業している場所へ案内します。
 上の写真は午後1時からの様子です。

インプットアウトプット (1)

 学習には、大まかに分けて2つの種類があります。1つが、読書や暗記、講義を受けるなどの「インプット型」の勉強。そしてもう1つが、知識を人に紹介したり、読書内容をレポートにまとめたり、問題集を解いたりするなどの「アウトプット型」の学習です。教える学習はアウトプット型です。
 本読んだり、話を聞いたりインプットをすると、脳の中の情報や知識は増え、脳内変化が起こります。

インプットアウトプット (2)

 対するアウトプットは、脳の中に入ってきた情報を頭の中で処理して、外界に出力することです。具体的には、「話す」「書く」「行動する」などがアウトプットです。本読んだり、話を聞いたりインプットをすると、脳の中の情報や知識は増えますが、現実的な変化は何も起こりません。
 アウトプットは「行動」をするので、現実世界に変化や影響を与えます。

2023秋季写真2023秋季樹木医活動紹介イベント(ガイドツアー③) (5)

2023秋季森林植物園マップ (2)

 出発地点から樹木医が活動している場所まで約300m15分ほどかけて、園内の樹木の構造や生理現象の話題を上げながら、進んでいきます。

教えることは学ぶことである (1)

 本やインターネット若しくは、セミナーを受講し情報を得る「インプット」ばかりしていても、「アウトプット」の方法を間違えるとスキルアップの深度は低いままです。樹木研究会こうべでは、インプットよりアウトプットを重視しています。

 樹木医が社会にもたらす価値~都道府県の枠を超えた連携と活動~ (9)
 
 但しアウトプットするには、アプトプットを行うための情報(インプット)が必要です。インプットとアウトプットを、どんどん繰り返すことによって、スキルアップします。
 この繰り返しこそが、習得につながる学習です。

染色液を使った導管観察(午後:後編)

樹木医ガイドとビジネス (22)

 樹木を輪切りにした導管を観察する方法として、「生きた樹木に染色液の入ったボトルを樹幹注入する」があります。間伐など伐採する予定の樹木を対象として、幹に穴をあけて、染色液の入ったボトルを注入します。数日後、伐採を行うと同時に材の中の染色度合いの観察を行います。

2023秋季写真染色液による樹幹注入効果測定(午後) (11)

 観察する8日前に注入したトウネズミモチを伐採しました。輪切りにすると一部浸透した断面が見えました。ただ残念ながら、注入した箇所だけで他は浸透していませんでした。

2023秋季写真染色液による樹幹注入効果測定(午後) (9)

 別の種類の染色液を注入しましたが、全く浸透していませんでした。これによって
❶3種類の染色液を使用したが、うち1種類は浸透性が高い。
➋※蒸散が大きいとされる4月に実施

以上を考えて、来季は4~5月に実施する予定です。

※蒸散は、葉の内部の気相空間の水蒸気濃度(約98%)と外気の水蒸気濃度(50−75%)の差によって、濃度の高い方から低い方へ水分子が拡散することによっておきます。従って、ある一定の大きさで気孔が開いている植物を仮定すると、外気の湿度が低いほど蒸散が大きくなります。

【参考】
気孔の開閉の条件・蒸散と気温・湿度の関係:みんなのひろば(一般社団法人:日本植物生理学会)
月別の平均相対湿度(%) 過去30年(1981~2010年)平均値:日本気象協会

2023秋季写真染色液による樹幹注入効果測定(午後) (5)

 伐採木の後片付けを行います。

スライド4

 子供の自然科学への関心あるいは自然素材を用いたものづくり興味をより高める目的で「染色液を使って導管観察」を今後樹木医環境プログラムとして実施します。自然状態の樹木から枝を採取し、自ら選んだ色の染色剤を用い、染色を行うことにより、自然学習ができ、加工と供に木目に現れる様々な模様に子供は高い興味を示すと考えられます。

【参考:2023年10月14日(土)樹幹注入実習】
樹幹注入実習(染色液希釈:前編)
樹幹注入実習(染色液希釈:後編)
樹幹注入実習(午前前編)
樹幹注入実習(午前後編)
樹幹注入実習(午後前編)
樹幹注入実習(午後後編)
プロフィール

jumokukobe

Author:jumokukobe
 この団体は樹木医技術の向上を図るために、複数の樹木医たちが実践でコンサルタント業務・研究を行っております。平成27年度神戸で発生したナラ枯れ調査を始め、樹木医独自のガイド等を実践で行う一方、外来種クビアカツヤカミキリ防除や公園樹木保全のあり方、苗圃における樹木生理の研究等、樹木医の今後の活路を見出すべく新規事業計画を立案しています。

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